バンドのお手入れ

革バンド

革バンド

バンドは汗やホコリを嫌います。また、肌を傷める原因ともなりますので、ご使用後は乾いた柔らかい布でよく拭き取り、十分乾燥させます。

革バンド

装着する時には、通気性を良くするために指1本分ゆるめにはめましょう。


金属バンド

金属バンド

時計のケース部分に水がかからないようにラップ等で包み、軽く湿らせた歯ブラシでやさしくブラッシングします。中性洗剤をうすめたぬるま湯で洗うと、よりきれいになります。

金属バンド

必ず最後は水洗いし、乾いた柔らかい布で水分を十分に拭き取ります。


ステンレスの
錆について

錆びにくいといわれるステンレススチールでも錆は発生します。
ステンレススチールの成分は、鉄やクロム、ニッケルなどですが、この中のクロムが空気中の酸素と結びついて、ステンレススチールの表面に極薄の酸化被膜を張り、この被膜が錆の発生を防いでいます。
しかし、ステンレススチールの表面に汚れが付着した状態だと、クロムに酸素が供給されず、膜が壊れ、錆の発生を招いてしまいます。
ご使用後のお手入れを心がけましょう。

歯車の「あそび」
について

時計の歯車のかみ合い部分にはわずかな「あそび」を設けています。
この「あそび」のことをバックラッシュといいます。
バックラッシュの影響により、針が目盛とわずかにずれたところを指すという現象が発生する場合があります。
ですが、時計の構造上バックラッシュがないと歯車は動かず、時計も作動しません。
このため、針が目盛とぴったりと合わなくても、それはバックラッシュがあるゆえの不可避な現象であり、不具合ではありません。

バックラッシュには以下のような役割があります。

衝撃から守る

バックラッシュのない状態で衝撃を与えると、部品の破損につながります。
衝撃のエネルギーをある程度逃がす役割を持っています。

温度差から守る

温度が高くなると金属は膨張します。バックラッシュのない状態で金属が膨張すると部品同士が接触する恐れがあり、動きが止まってしまいます。

摩擦から守る

部品同士の摩擦は、部品のゆがみや変形をおこします。
バックラッシュがないと、ごくわずかなゆがみや変形も許容できずに、部品の摩耗が早まり、不具合が生じてしまいます。

カレンダーについて

午後8時頃から午前4時頃に、時計の内部では時間と連動した歯車の爪がカレンダーディスクを回転させています。
また、リューズによる早送り操作では、上記の歯車とは別の歯車を動かして、カレンダーディスクを回転させます。
したがって、その時間帯に早送り操作をすると、無理に歯車でディスクを回転させることになり、部品が損傷し不具合の原因となります。
上記時間帯には、カレンダーの早送り操作は行わないよう、ご注意ください。

上記以外の時間帯、例えば6時に針を合わせてからカレンダーを早送りすれば、安全に操作できます。
また、多くの時計のカレンダーは12時ジャストに切り替わるわけではありません。
11時ごろからカレンダーディスクが回転し始めて12時前後に変わるものや、1時・2時ごろに変わり終わるものなど、キャリバーによって異なります。

自動巻き時計の
取り扱い

最近の自動巻き時計には、長く安定した持続時間を得るために、ゼンマイ(時計の原動力)に少し厚みのある長いバネが使用されています。 このため、止まった状態からそのまま着用したり、単に時計を振っただけでは十分にゼンマイが巻き上がらず、本来の精度を保つことができません。

また、自動巻き時計のローターは補助的にゼンマイの戻りを補っているので、着用者個々の生活習慣により、特に運動量の少ない方ではゼンマイの巻き上げが不足がちになり、止りや遅れの原因になることがあります。
着用前に手でリューズを30~40回転させ、ゼンマイを十分巻き上げてください。
※リューズ1回転は、リューズを360度回転させることを意味します。

防水時計の
取り扱い

防水時計の取り扱い

時計の防水性能は、ブランドやモデルによって異なります。それらの規格を超えた使用は、ケース内に水分が浸入して部品のサビや破損の原因となり、時計に不具合が生じる恐れがあります。時計ご使用の際には防水性能を十分ご理解いただきますようお願いします。

水や汚れが付着したまま使用を続けるとケースやブレスレットが劣化しやすくなります。
海水での使用後や汗をかいた後は、真水で十分に洗浄し、水気を拭き取るようにして下さい。防水性能を維持するためには、定期的な部品交換と防水検査が必要です。


耐久性 防水性能 備考
3bar または 30m 日常生活での汗や水滴、雨がかかる程度には耐えられます。 水泳、水関連の仕事、釣り、ダイビング等には適していません。
5bar または 50m 水仕事や、釣りなどの水上スポーツ等に適しています。 ダイビングには適していません。
10bar または 100m 水中につけても耐えられます。シュノーケリングやプールでの軽い使用等に適しています。 ダイビングには適していません。
20bar または 200m 海洋活動やスキンダイビングなどのウォータースポーツに適しています。
ダイバーズ 100m 飽和潜水ではない、スキューバダイビングに適しています。
ダイバーズ 200m~300m 飽和潜水ではない、スキューバダイビングに適しています。 現代のダイバーズウォッチに多く見られます。
飽和潜水用ダイバーズ 300m~ 飽和潜水、ヘリウム濃縮環境に適しています。

※ISO規格

※入浴について
石鹸等はパッキンの劣化、ガラスコーティングの劣化を早める要因になります。温泉などでは、その成分により時計に悪影響を及ぼす場合もあります。また蛇口やシャワーの水圧は高いので浸水の原因になります。入浴時の着用は避けて下さい。急な温度変化も時計にとっては故障の原因です。

ねじ込み式リューズ
の取り扱い

ねじ込み式リューズの取り扱い

ケースの気密性を高めるため、ダイバーズウォッチなどにはねじ込み式リューズが採用されています。
リューズがきちんと締め込まれていない、ロックされていない状態では、防水性を保つことができません。
水分や湿気が入り込み、部品の錆や破損の原因になりますので、リューズ操作をした後は、必ずロックを確認してください。

ねじ込み式リューズを締め込む際は、強く押し付け過ぎないように、ケースチューブとの接触面のずれを修正して真っ直ぐな状態に合わせます。そのまま、ねじの感触を確かめながら、少しずつ締め込んでください。
少しでも違和感があった場合には、操作を止め、リューズを緩めてから再度やり直してください。
ねじ目が正しくかみ合っていれば、リューズを押し付けることなく、回転させるだけで締め込んでいくことができます。

リューズとケースチューブ、双方のねじ目が正しくかみ合っていない状態で、無理にリューズを締め込んでしまうとねじ山が大きく変形し、正しく締め込むことができず、防水性が損なわれてしまいます。
リューズを引き出す際も、真っ直ぐゆっくりと引き出してください。


ヘリウムエスケープ
バルブについて

ヘリウムエスケープバルブについて

飽和潜水や潜水艦などの高圧な環境では、窒素酔いを起こすため、通常ヘリウムと酸素の混合気体を使用します。しかしながら、分子が小さいヘリウムは防水設計された時計でも内部に侵入します。
圧力の高いヘリウムは、減圧時に時計を損傷させてしまうため、強制的にヘリウムを逃がし、破損を防ぐ必要があります。そのため、ヘリウムを排出させる以外の目的で使用すると故障の原因になりますので、ご注意ください。


磁気について

クォーツ時計(デジタル時計を除く) は、ステップモーターと呼ばれる極小のモーターによって駆動されています。
このモーターは磁石の特性を利用しているために、外部から磁気の影響を受けるとその回転に悪影響を及ぼします。回転が影響を受けると、時計は進みや遅れ、止りなどの現象として表れます。

また機械式時計でも、外部からの強い磁気の影響を受け、内部部品などが磁化されると精度に影響を及ぼす場合があります。
磁気は目に見えないものですので、お客様が気付かないうちに磁気帯びしている場合がほとんどです。
現在の生活においては、身近な磁気製品が数多く登場しています。身の回りの磁気製品には十分な注意が必要なことをご理解いただきますようお願いします。

※ 磁界の強さは距離の二乗に反比例しますので、磁気製品から5cm~10cm離しておくだけでほぼ影響を受けなくなります。

衝撃について

時計は極めて繊細な部品で構成されている精密機械のため、100分の数ミリでも部品がずれてしまうと、不具合の原因になります。
時計本体への衝撃は、外装に傷や打痕がつき、また破損する恐れがあります。
外装が傷つくほどの衝撃は、内部でも部品が外れたり、損傷を引き起こしたりする可能性が高く、そのダメージは計り知れません。

ゴルフや野球、テニスなどのスポーツ、オートバイの振動も腕に相当な衝撃がかかっています。十分にご注意ください。

衝撃について

クォーツ時計の
機能について

※全てのクォーツ時計に搭載されているわけではありません。

オートサーボシステム(ASS)

IC (電子回路) 内に内臓された省電力装置のことをいいます。この機能はステップモーターの機動力に応じて波長の違う信号を送り出すことで、消費電流の節約を図り、モーターの回転が正確に行われなかった場合には回転を修正し、タイミングを計るために余分な信号を送り出します。秒針を定期的に小さく左右にぶれる時は、修正が行われている時です。

電池切れ予告装置(EOL)

電池切れ予告装置(EOL)

電池容量が少なくなり電圧が下がってくると、IC が電池切れ予告装置(EOL)を作動させ、秒針が4秒ごとに運針し始めます。作動後数日中に時計は止りますので、なるべく早くカスタマーサービスへメンテナンスをご依頼下さい。


温度補正機能

温度補正機能

クォーツ時計の精度は水晶振動子の振動(32.768KHz)に左右されます。毎日のわずかな温度変化により精度に狂いが生じます。
温度補正機能は、高精度を確保するためにIC内に内蔵された温度センサーが8分ごとに温度計測をし、自動修正を行う事で温度変化による誤差を最小限に抑えます。


パーペチュアルカレンダー

パーペチュアルカレンダー

別名、永久カレンダーと呼ばれ、IC内部に自動修正カレンダー装置を内蔵しています。この機能は、大の月、小の月、そして4年に一度の閏年計算を行い、自動で日付修正を行うようになっています。